2012年7月15日日曜日

無知の知は力なり

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突然ですが、僕が好きな言葉のひとつに、
「知は力なり」という有名な言葉があります。

ベーコンという哲学者の言葉で、
ここでいう「知」とは、
「知識」のことです。

広告会社の仕事は、まさに、
様々な知識が必要とされ、
この言葉の意味を日々実感しています。

一方で、もう一つ大事にしている言葉があって、
それは、「無知の知」という言葉です。

これは、ソクラテスの言葉で、
以下、Wikipediaからの引用です。

ソクラテスは当時、
知恵者と評判の人物との対話を通して、
自分の知識が完全ではない事に気がついている、
言い換えれば無知である事を知っている点において、
知恵者と自認する相手より僅かに優れていると考えた。
また知らない事を知っていると考えるよりも、
知らない事は知らないと考える方が優れている、
とも考えた。

自分でも実感していることですが、
入社して年を重ねるごとに、
「知らない」ということを認めることへの
抵抗感は、どんどん増してきます。

そうなると、
「知ったか」というのが現れて、
これは他人の目からすると、
いかにも哀れだし、何より、
自己成長を全くもたらさない。

だから、「無知の知」という言葉は
大事にしたいなぁと考えているし、
「無知」を自覚したら、
出来るだけそれを「知(=力)」に
変える努力をしたいなぁと思っています。


前置きが長くなりましたが、
自分は「経済」というものに対して
あまりにも「無知」だと思うので、
この本「経済ってそういうことだったのか会議」
を読んでみました。

竹中平蔵さんと元電通の佐藤雅彦さんによる
経済のベーシックな部分を
テーマにした対談本です。

個人的に印象に残ったのは、
「なぜ日本人は会社への所属意識が高いのか」とか、
「人頭税の方がいいんじゃないか」とか、
「どうやってドルは基軸通貨になれたのか」とか、
「日本は川下から始めたからよかったのか」とか、
「エコノミクスって共同体のあり方ってことか」とか。

10年以上前の本ですが、
僕のように経済に無知な人にとっては、
タイトルにある通り、
「経済ってそういうことだったのか」
って、感じると思います。

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
佐藤 雅彦 竹中 平蔵
日本経済新聞社
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2012年7月8日日曜日

広告人が実践すべき「Think Small」の法則(『Think Simple』を読んで)

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Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学
ケン・シーガル
NHK出版
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スティーブ・ジョブズのもとでアップルの
クリエイティブディレクターを務めていた
ケン・シーガルが書いたこの本には、
多くの広告人にとって、
教訓となるような話が多く含まれています。

その中でも個人的に特に印象に残っている
箇所を紹介します。
それは、「Think Small」という章の中の
「少人数の法則」という話です。

今私がいる九州支社に異動してからは
そんなことはなくなりましたが、
私が本社にいたときには、
参加者が10人を超すような会議が
しばしばありました。

時にはそれが本当に必要なこともありましたが、
「あぁ、今日は何もまとまりそうにないなぁ・・・」
と思うことも少なくなかった気がします。

筆者はこのことについて、
次のように述べています。

広告の世界における長年の経験から、
私は次の科学的法則をまとめることに成功した。
プロジェクトの成果の質は、
そこにかかわる人間の多さに反比例する。

ちなみに、
単に人数が少なければいいのではなく、
「有能な少人数のグループ」であることが
重要であると繰り返し強調されてあります。

また、上記の法則と併せて、
もう一つ重要な原則が紹介されています。

プロジェクトの成果の質は、
最終的な意思決定者がかかわる程度に比例する。

つまり、「最終的な意思決定者」が
プロジェクトの過程にしっかりと
関与することが大切だということです。

通常日本では、広告の仕事において、
最終的な意思決定者が
プロジェクトの過程に関与することは
非常に稀なことです。

広告主の担当者と打ち合わせを重ね、
それに対して、
広告主の社長だったり広告部長だったりが
最終的な判断を行うというのが
通常の流れだと言えるでしょう。

しかし、アップルでは、
CEOのジョブズ自身が、
マーケティングのプロジェクトに
大いに関与しています。

先週ブログに書いた
「愛されるアイデアの作り方」でも、
最終的な意思決定者である鹿毛さん自身が
プロジェクトの初期段階から
大きく関与していることがわかります。

そう考えると、
この原則が正しいということも
十分に頷けます。

広告主側の「最終的な意思決定者」が
プロジェクトにかかわる程度が低いことは
よくあることですが、下手をすると、
広告会社側の「最終的な意思決定者」の
かかわる程度が低いこともたまにあります。

プレゼンの前日になって
広告会社の「最終的な意思決定者」が
急に現れて、企画書を見るや、
これまでの打ち合わせをふいにするような
「アドバイス」を行い、
企画内容が変わってしまうような
経験をしたことが何度かあります。

恐らく、同じような経験をされた
ことがある方も少なくないと思います。

言うまでもなく、そのような競合プレでは、
勝利したことが一度もありません。

「最終的な意思決定者」は、
最初からプロジェクトにしっかり関与するべきだし、
逆に言うと、
しっかりプロジェクトに関与できていない人間は
「最終的な意思決定者」であるべきではない
とも言えます。


最後に、この本からもう一つだけ、
広告人が教訓として心に刻むべき箇所を
紹介させて下さい。
それは、「Think Human」という章に書かれています。

アップルは初代のiPodを説明するのに、
5ギガバイトのドライブを搭載した、
重さ185グラムの音楽プレーヤーとは言わなかった。
シンプルに「1000曲をポケットに」と言っただけだ。
これが人間のコミュニケーションのとり方だ。
(中略)
人と結びつく最良の方法は、
物事を説明するときに、
人が日常会話で使う言葉で話すことなのだ。

これは、多くの広告人が、
ハッとする話ではないでしょうか。


Simplicity is the ultimate sophistication.

レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉であり、
1977年にアップルが「AppleⅡ」のパンフレットに
キャッチコピーとして使った言葉です。

アップルのマーケティングの強さの秘密は、
まさにここにあるのだと実感しました。

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2012年7月1日日曜日

『愛されるアイデアのつくり方』は、広告人必読の本だと思う。

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愛されるアイデアのつくり方
鹿毛康司
WAVE出版 (2012-05-08)
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素晴らしい本に出会いました。

読み終えた後、
1人でスタンディングオベーションを
送りたくなるような、
そんな読後感です。

タイトルからは、
ありがちなHow to本を
想像する人もいるかもしれませんが、
この本には、ドラマがあり、心動かされ、
これほどまでに「素直に」書かれた本は、
本当に珍しいと思います。

ビジネス書なのに、
途中で泪が出そうになる本です。


広告に携わる人間が
よく口にする言葉、「ブランド」。
「ブランド」や「ブランディング」に関する
本はいろいろ読んできたので、
「ブランド」とは何か、
頭では理解しているつもりですが、
この本を読んで、初めて、
心でそれを感じることができた気がします。

この本の中では、
「愛されるアイデア」を生み出す方法が
様々書かれています。
ただ、そこには明確に書かれていないのだけど、
この本を読んで強く感じたことがあります。

それは、
この著者が「愛されるアイデア」
生み出すことができるのは、
誰よりも自社の「ブランド」を愛し、
「お客様」を愛し、そして、
「仲間」を愛しているからだ、
ということです。

広告会社の人間なら、
こう自問するべきでしょう。

・担当している広告主のブランドを愛しているか?
・担当している広告主のお客様を愛しているか?
・自分の仲間を愛しているか?

もし答えがNOなら、
愛されるアイデアなど生まれるはずが
無いのだと痛感しました。

ここでいう「愛している」が、
どういうことを意味するのかは、
この本を読めば感じとってもらえると思います。


以下、引用。

エステーは、意表をついてびっくりさせるのを
狙っていると言う人がいる。
よくわかっていない人ほどそういうコメントで
かたづけようとする。しかし、
僕は決して「意表をつく」ことを目的としたり、
それを狙っているわけではない。
(中略)
ブランドはみんなのもの―。
この信念こそが「愛されるアイデア」を
生み出す糧となったのだ。


心から「広告」という仕事に
関わるつもりがあるのであれば、
読んでおかなければいけない
一冊だと思いました。

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2012年6月24日日曜日

広告で示すべきハピネスの形とは?(『つなげる広告』を読んで)

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つなげる広告 共感、ソーシャル、ゲームで築く顧客との新しい関係性 (アスキー新書)
京井良彦
アスキー・メディアワークス
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ロングエンゲージメント」の著者で
電通のアカウントプランナー、
京井良彦さんの新刊「つなげる広告」
を読みました。

ご本人がプロローグで、
「主張も事例も新しいものではないかもしれません」
と書かれている通りではありますが、
ソーシャルメディアが
当たり前になりつつある現代の
新しい広告のあり方について、
重要なエッセンスがうまくまとまっている
本だと感じました。


まず、広告の役割について、
著者は次のように述べています。

広告は生活者のハピネスの形を明示し、
導いていかなければならない

そして、「確かに」と頷いたのが、
「物質的な豊かさ」=「幸せ」
だった成長期の日本と現代の日本では、
「幸せ」の定義が異なっており、
つまりは、広告が示すべき
「ハピネスの形」も変わってくる
ということです。

筆者が言っている
新しいハピネスの形とは、
「人とのつながり」
「コミュニティーへの貢献」
といった社会的な価値観です。

物質的な豊かさがある程度
当たり前のものになった現代において、
日本人が求める「ハピネスの形」は
非常に多様化しています。

そんな中、
ソーシャルメディアの普及によって、
「人とつながる」ことは、
容易になり、かつ可視化されるものになりました。
そう考えると、著者が言うような、
「人とのつながり」や
「コミュニティーへの貢献」といった
新しいハピネスの形が生まれてくるのは、
当然の流れだと思えます。

「なぜ人はつながりを求めるようになったのか」
について、僕の考えは、
著者の本の中での説明と少し異なり、
人とのつながりが「容易」になり、
かつ「可視化された」というのが
ポイントではないかと考えています。

レコーディングダイエットがいい例で、
人は対象が可視化されると
モチベーションを向上させやすくなります。

ソーシャルメディアによって
「人とのつながり」が可視化されたことで
より「人とつながりたい」という欲求が
増してきているのではないかと思います。

広告に携わる人間として、
ソーシャルメディアがもたらした変化
について考える時、これまでは、
「情報の流れの変化」ばかりに
注目していたような気がします。

しかし、この本を読んで、
ソーシャルメディアを起因とした、
人が求める「ハピネスの形の変化」にも
もっと注目し、議論されていかなければ
ならないような気がしてきました。

なぜなら、著者が言うように、
「広告は生活者のハピネスの形を明示し、
導いていかなければならない」
からです。

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2012年6月17日日曜日

戦略思考に必要な3つのスキル(『戦略シナリオ』を読んで)

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戦略シナリオ 思考と技術 (Best solution)
斎藤 嘉則
東洋経済新報社
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この本の主要なキーワードのひとつに、
「戦略思考」という言葉があります。

≪戦略思考≫とは一言でいうと、
「不確実なビジネス環境において、
明確な将来のシナリオを創る思考」
である。それは、
枠組みの変化や本質そのものの変化が
激しく押し寄せる現代において、
変化の流れ=潮流をすかさず読みとり、
どちらの方向に舵をとるべきかを
即断する思考方法ともいえる。

この本が書かれたのは1998年。
それから現在までに、
私たちを取り巻くビジネス環境は、
加速度的にその不確実性を増しており、
ビジネスパーソンにとって、
まさにこの「戦略思考」の必要性が
これまで以上に高まっていると言えます。

では、どのようにして、
この「戦略思考」を習得する
ことができるのか。

≪戦略思考≫を実現するには、
3つのスキルが必要とされる。
「具体的結論を出す力」、
「過去から将来まで構造を洞察する力」、
「リスクを伴う判断を行う力」である。

敢えて声を大にして言えば、
この3つのスキルを持ち合わせていない
人間が(自分も含めて)今の世の中には
多すぎるのではないでしょうか。

特に一つ目の、
「具体的結論を出す力」
結論を先延ばしにし、
結論を出すことを避ける人が
とても多いような気がします。

去年、「新入社員の後輩に伝えたい5つのこと
というエントリーにも書きましたが、
仮説ベースでもいいので、とにかく、
自分なりの解をもつ(=結論を出す)ことは、
極めて重要だと思います。

2つ目の「過去から将来まで構造を洞察する力」は、
「構造を」というのがポイント。
ただ、これは、なかなか難しい
スキルだと思います。それでも、
そういう意識を持つことが大切ではないでしょうか。

3つ目の「リスクを伴う判断を行う力」
無くてはならないスキルだと思います。

日本では、どうしても「リスク」というと、
非常にネガティブなものとして
捉えられがちです。

例えば、資産運用なんかを考えても、
日本ではリスクが極めて小さい銀行預金の
割合が圧倒的に多いのが実情です。
逆に、リスクを正しく理解せず、
「ギャンブル」としか言いようがないような
投資に走るのも大問題です。
「リスクを正しく理解した上でリスクを取る」
というのが、資産運用に限らず、
ビジネスにおいても重要だと思います。


もうひとつ、この本を読んで、
覚えておきたいと思ったことがあります。
それは、「3C+3S」というフレームワークです。

3Cは有名なので、説明するまでもないですが、
「Customer(顧客)」
「Competitor(競合)」
「Company(自社)」
の3Cです。

そして、3Sというのは、
「選択」「差別化」「集中」の3Sだそうです。
(「日本語かいっ」っていうツッコミはともかく。。)

Customer(顧客)はどういう人なのか、
どういうニーズを持っているのか
ということがわかった。しかし、
すべての顧客をターゲットとして
訴求することはできないので、
どの顧客ニーズを「選択」するのかを
決断しなければならない。また、
Competitor(競合)はどんな企業があって
どういう土俵で戦っているのか
ということがわかったら、
今度はその競合とどう「差別化」するのか
考えなければならない。そして、
Company(自社)を洞察することで
自社の資源や強みがわかったら、
どこに資源を「集中」するのかを
判断しなければならない。

よくありがちなのは、
分析は行ったのに具体的な決断が何も無いとか、
あるいは、ちゃんと分析をすることなく
根拠のない決断をしてしまうというもの。

そんな中、この「3C+3S」という、
分析から具体的な決断までがセットになった
考え方は、常日頃から、
意識したいと思いました。

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