2011年2月13日日曜日

≪書評≫シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略

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シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
レイチェル・ボッツマン ルー・ロジャース
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インフォバーン小林弘人さん監修の本、
『シェア』です。

正直に言うと、
シェアという言葉から、
デジタル上で消費者が行う、
商品やサービスについてのクチコミ行動だけを思い浮かべて
本書を購入したのですが、
実際、この本が題材にしているのは、
いわゆるカーシェアリングなどの、
サービスとしての「シェア」がメインです。
(これを本書では「コラボ消費」と呼んでいます)


過剰消費の20世紀には、
信用履歴や広告、所有物によってその人が定義されたのに対し、
コラボ消費の21世紀には、
評判や、属するコミュニティ、何にアクセスできるか、
どうシェアするか、また何を手放すかが、人を定義するだろう。


日本が遅れているからか、
国民性によるものかわかりませんが、
たぶん日本では、
海外ほど、「コラボ消費」は進んでいません。
でもそういう傾向にあるのは同じだと感じました。

本書の中に、
「サービス・エンヴィー(service envy)」という言葉が出てきます。
サービス・エンヴィーとは、
「それを利用することがステータスになるようなサービス」のことで、
「モノよりサービスを欲しがらせること」だとも言えます。

今の20代には
サービス・エンヴィーの傾向があると思いますが、
40代になると、
まだプロダクト・エンヴィーの傾向があるような気もします。
ただ、傾向としては、サービス・エンヴィーという考え方が
強くなってきていると思います。

そんな中、重要になってくるのは、
本書の中でも大きく扱われているテーマでもある、
「コミュニティ」です。

コミュニティはブランドだ。
そしてブランドはコミュニティの持ちものだ。

こんな言葉が本書の中にありますが、
まさにその通りだと思います。

広告主や我々広告会社が、
会議室の中でブランドを定義し、
コミュニティにブランドを押し付けることはできません。

どうコミュニティを作り、
どうブランドを育ててもらうか、
難しいけど、重要なテーマだと思いました。

ちなみに、この本の初回出荷分には、
各冊固有のIDナンバーが振られており、
下記サイトに登録してこの本を友人と「シェア」すると
自分が読んだ本が今どこにあるのか
わかるようになっているそうです。

ただ、自分は、
ドッグイヤーもつけるし書き込みもするし、
読んだ本を飾って感じる達成感も好きなので、
「シェア」はしません。
(この本で何を学んだのかってなっちゃいますが。。。笑)





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