2011年7月24日日曜日

スマホユーザーが増えることで加速する3つの流れ

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今年2011年、
スマートフォンユーザーが
加速度的に増加しています。

今月7日にMM総研が発表した
最新の「スマートフォン市場規模の予測」によれば、
2016年3月末にはスマートフォン契約比率が
全体の50%に達すると予想されており、
特に2011年から2012年にかけての
上昇率が大きくなっています。



この勢いを加速させているのが、
携帯各社のスマホラインナップの拡充です。

最近CMをよく目にしますが、
ソフトバンクからは、「大人女子スマケー」なる、
女性をターゲットにした二つ折のスマートフォンも登場し、
今後、女性ユーザーも益々増えることでしょう。

もうすぐ発売になる「インターネット白書2011」では、
スマートフォンの所有率に関して、
男性20代(29.6%)、女性20代(25.3%)
という結果が出ているようで、
「若年男性だけでなく女性にも広まっている」ようです。


前置きが長くなりましたが、、
スマートフォンユーザーが増えることは、
今や誰もが知っていることなので、それよりも、
「そうなることで実際何が起こるのか」ということを
真剣に考えておかなければまずい気がしています。

スマートフォン広告も出稿しないといけませんね、
みたいな単純な話ではなく、
もう少しだけ深く考えてみました。


①ソーシャルメディア利用が加速する

ソーシャルメディアが
昨今普及している背景として、
スマホユーザーの増加が少なからず
影響していると考えられます。

MMD研究所が今年3月に発表した
10-30代女性のスマートフォン利用に関する調査」では、
「スマートフォンを持って変わったこと」として、
40.3%の人が「SNS利用頻度が増えた・始めた」
と答えています。



実際スマホを使ってみると、
TwitterやFacebook等との相性が
非常にいいのを実感します。

今後スマホユーザーが増えていけば、
それに合わせて、
ソーシャルメディアもさらに活性化していく
と推測されます。


②写真によるコミュニケーションが増える

ソーシャルメディアと同様に、
スマートフォンとの親和性が高いものとして
「写真の共有」があります。

スマホで写真を撮って
TwitterやFacebookにアップロードするのは
本当にスムーズで簡単ですし、
InstagramやPicPlzなどの写真共有アプリの存在も
写真共有の普及を加速させています。

さらに、
Twitterも独自の写真投稿機能の搭載を発表したり、
Googleもソーシャルネットワーク型の
写真投稿サービスの発表を控えていたりと、
写真によるコミュニケーションというのが
今後大きな動きになる気がしています。

※Facebookも極秘プロジェクトとして、
写真共有アプリを開発中という記事が
TechCrunch JAPANに載ってたのですが
なぜか削除されています。。


③モバイルインターネット利用が増加する

「スマートフォン普及で回線パンク危機」
っていう記事も日経に載っていましたが、
MM総研が今年5月に発表した
「スマートフォンユーザーの利用実態調査」によれば、
スマホユーザーは、
普通の携帯電話(フィーチャーフォン)ユーザーに比べて、
Web閲覧時間が3倍近く長いという結果が出ています。



それによって何が起きるかというと、
「リアルとWebの連動が進む」ということだと思います。

今年カンヌで受賞した以下2つの事例も
そういう流れの中にある気がします。







スマホユーザーの更なる増加が見込まれる中、
広告とかコミュニケーションというものを考える上では、
「ソーシャルメディア」とか
「写真によるコミュニケーション」とか
「リアルとWebの連動」みたいなことを、
ちょっと意識しながら企画を考えたいと思います。
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2011年7月10日日曜日

マーケターに必要な定点観測とは?(「マーケティングマインドのみがき方」を読んで)

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マーケティングマインドのみがき方
岸田 雅裕
東洋経済新報社
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「マーケティングマインドのみがき方」
という本を読みました。
もともとパルコに勤務されていた
岸田雅裕さんという方の本です。

タイトルの通りの本で、
幅広いテーマについて書かれていますが、
特に、印象に残っているのは、
世の中の変化について書かれた下記の部分です。

変化の波には、
1 非常に長い不可避のトレンド「大きな波」
2 1の中でときおり起こる揺り戻しのような小さな波「揺らぎ」
3 まったく関係ないその場限りの流行「ノイズ」
の三つがあります。
これらは識別して考えないといけません。

これまではあまり意識していませんでしたが、
今感じている「変化」が、
「大きな波」なのか、「揺らぎ」なのか、
それともただの「ノイズ」なのかは、
意識して見極める必要があると思います。

特にWebの世界は、変化が激しい世界です。
その分、「ノイズ」が非常に多いことも事実だと思います。
「ノイズ」にばかり目をとられると、
「揺らぎ」と「ノイズ」の違いが分からなかったり、
「大きな波」を見落としてしまったりします。

たまに、ただの「ノイズ」を見て、
それが「大きな波」だと勘違いしてしまうこともあります。
そんなことを防ぐためには、
「定点観測」が有効だと書かれています。

変化の方向をみるのではなく、
「変化率」を見ないといけません。
変化率を見られるようになるためには、
ある程度長い時間をかけて変化を観察することが必要です。
そのときに定点観測の習慣を持っていると、
それがモノサシの役割を果たしてくれます。
「ノイズ」のようなものが生まれたときも、
それがただのノイズなのか、
それとも大きな波に育っていくのかが
見抜けるようになるはずです。

この本には、
定点観測の方法については詳しく書かれていませんが、
人それぞれ、様々な定点観測の仕方があると思います。

個人的には、
日々、GoogleリーダーとTwitterを使って、
様々な人が発している情報や
それに対するその人たちの意見や感想をウォッチすることが、
ひとつの定点観測的な役割を果たしていると思います。

ただし、フォローしている人の数が少ないと、
一部の人の意見に流されてしまい、
「ノイズ」が「大きな波」のように感じられて
しまうこともあるかもしれません。

もうひとつ、まだ完全に習慣化できていませんが、
「街の本屋に定期的に足を運ぶ」というのも、
定点観測の手段としては非常に有効だと思います。
(昔読んだ何かの本にも書かれてた気がします。。)
(ちょっと前にTVで池上さんも言ってたような気がします。。)
(記憶が曖昧ですいません。。)

ポイントは、「街の本屋」というところで、
丸善とか紀伊國屋のような大型書店だと、
本の数が多すぎるので、全体を把握することが
難しくなってしまいます。

「街の本屋」を、
一時間ぐらい時間をかけてぐるりと回り、
今どんな本が注目されているのか、
雑誌ではどんなテーマが特集されているのかなど、
自分が普段あまり興味のない分野の本でも、
敢えて関心を持って見てみることを習慣化すれば、
良い定点観測になるのではないかと思っています。

他にも定点観測の方法はたくさんあると思いますが、
まずは、この辺りから習慣化し、
変化の波を見極める力をつけていきたいと思います。

今一番気になるのは、
「Google+」が「大きな波」なのか、
それとも小さな「揺らぎ」なのか、
ということです。

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2011年7月3日日曜日

「Facebookは流行らないんじゃないか」と思うようになった3つの理由

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Facebookを使い始めて半年、
なんとなくですが、
「Facebookは流行らないんじゃないか」
という気持ちが出始めてきました。
(確信ではないですが)

前にブログに書いたように、
未だに僕は、
「Facebookは日本で普及しないとまずい派」
であることは間違いないですが、
Facebookに対して最近なんとなく感じる違和感を
まとめておきます。


①やっぱりSNSって「疲れる」

昔は結構mixiに日記を書いたりしてたのに、
この表現が適切かどうかわかりませんが、
なんとなく「mixiに疲れて」、
それからすっかりmixiから遠ざかり、
そんな中、Facebookが話題になって、
Facebookはmixiよりも面白いぞって思ったけど、
結局本質は同じなんじゃないか、
とも思うようになってきました。

間違いなくこれは人それぞれで、
「どういう風に思う人がどのくらいいるのか」
っていうのを見極めることが重要なんだと思いますが、

個人的には、
「流れていくことが当たり前」で、
「たまに見知らぬ誰かから反応があったら嬉しい」Twitterと
「流れていくとなんとく寂しい」Facebookだと、
Twitterの方が楽しかったりします。(というか気楽。)


②プロモーションガイドラインが厳し過ぎる

これは何度かこのブログでも触れていますが、
Facebookはプロモーションガイドラインが非常に厳しい。
Twitterと比べると、
キャンペーンの参加や応募のスキームとしては使いにくく、
企業がプロモーションとして使うのが難しくなっています。

もちろん、ソーシャルメディアの使い方として、
そういう使い方が最も正しいとは思いませんが、
Twitterは、その辺りのガイドラインがゆるいこともあり、
企業が積極的にキャンペーンなどで活用しており、
そういったことがユーザーの増加にもつながっていると思います。


③「いいね!」の価値低下

Facebookがプロモーションガイドラインを厳しくしているのは、
恐らく、「いいね!」など、ユーザーのクチコミ価値が
下がるのを防止するためだと考えられます。

しかし、なんとかそれを掻い潜ろうとするのが、
プランナーの仕事だったりもします。

そんな中、最近よく見かけるのが、
Facebookページの「いいね!」を押した人だけが、
キャンペーンに参加できるとか、
何かがダウンロードできる、などといった手法です。

最近、Twitterでフォローしている方が、
「いいね!」ともまだ思ってないのに「いいね!」押さないといけないのがイヤ
という内容のツイートをしていたのですが、
まさにその通りだと思いました。

企画している側が見落としがちな、
ユーザーのリアルな声だと思います。
(自戒も込めて)

「いいね!」を押すと、友達のウォールに
「●●さんが○○についていいね!と言っています」
と表示されてしまいますが(それが企画者の意図ですが)、
●●さんが「いいね!」と思うかどうかはその後のことで、
こういうのを見ると、「いいね!」ってなんだろう?って思ってしまいます。

これは、完全に「いいね!」の意味を
誤解していると言っていいのではないでしょうか。
なのに、こういう手法を、
Facebookのマーケティング戦略的な本を出版する会社が
とっていたりするので、ますます違和感が強まります。。


なんとなく感じる「違和感」で、
まだ「確信」でもないし、
何らかの「主張」があるわけでもないですが、
最近感じたことをそのまま書いてみました。

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