斎藤 嘉則
東洋経済新報社
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この本の主要なキーワードのひとつに、
「戦略思考」という言葉があります。
≪戦略思考≫とは一言でいうと、
「不確実なビジネス環境において、
明確な将来のシナリオを創る思考」
である。それは、
枠組みの変化や本質そのものの変化が
激しく押し寄せる現代において、
変化の流れ=潮流をすかさず読みとり、
どちらの方向に舵をとるべきかを
即断する思考方法ともいえる。
この本が書かれたのは1998年。
それから現在までに、
私たちを取り巻くビジネス環境は、
加速度的にその不確実性を増しており、
ビジネスパーソンにとって、
まさにこの「戦略思考」の必要性が
これまで以上に高まっていると言えます。
では、どのようにして、
この「戦略思考」を習得する
ことができるのか。
≪戦略思考≫を実現するには、
3つのスキルが必要とされる。
「具体的結論を出す力」、
「過去から将来まで構造を洞察する力」、
「リスクを伴う判断を行う力」である。
敢えて声を大にして言えば、
この3つのスキルを持ち合わせていない
人間が(自分も含めて)今の世の中には
多すぎるのではないでしょうか。
特に一つ目の、
「具体的結論を出す力」。
結論を先延ばしにし、
結論を出すことを避ける人が
とても多いような気がします。
去年、「新入社員の後輩に伝えたい5つのこと」
というエントリーにも書きましたが、
仮説ベースでもいいので、とにかく、
自分なりの解をもつ(=結論を出す)ことは、
極めて重要だと思います。
2つ目の「過去から将来まで構造を洞察する力」は、
「構造を」というのがポイント。
ただ、これは、なかなか難しい
スキルだと思います。それでも、
そういう意識を持つことが大切ではないでしょうか。
3つ目の「リスクを伴う判断を行う力」も
無くてはならないスキルだと思います。
日本では、どうしても「リスク」というと、
非常にネガティブなものとして
捉えられがちです。
例えば、資産運用なんかを考えても、
日本ではリスクが極めて小さい銀行預金の
割合が圧倒的に多いのが実情です。
逆に、リスクを正しく理解せず、
「ギャンブル」としか言いようがないような
投資に走るのも大問題です。
「リスクを正しく理解した上でリスクを取る」
というのが、資産運用に限らず、
ビジネスにおいても重要だと思います。
もうひとつ、この本を読んで、
覚えておきたいと思ったことがあります。
それは、「3C+3S」というフレームワークです。
3Cは有名なので、説明するまでもないですが、
「Customer(顧客)」
「Competitor(競合)」
「Company(自社)」
の3Cです。
そして、3Sというのは、
「選択」「差別化」「集中」の3Sだそうです。
(「日本語かいっ」っていうツッコミはともかく。。)
Customer(顧客)はどういう人なのか、
どういうニーズを持っているのか
ということがわかった。しかし、
すべての顧客をターゲットとして
訴求することはできないので、
どの顧客ニーズを「選択」するのかを
決断しなければならない。また、
Competitor(競合)はどんな企業があって
どういう土俵で戦っているのか
ということがわかったら、
今度はその競合とどう「差別化」するのか
考えなければならない。そして、
Company(自社)を洞察することで
自社の資源や強みがわかったら、
どこに資源を「集中」するのかを
判断しなければならない。
よくありがちなのは、
分析は行ったのに具体的な決断が何も無いとか、
あるいは、ちゃんと分析をすることなく
根拠のない決断をしてしまうというもの。
そんな中、この「3C+3S」という、
分析から具体的な決断までがセットになった
考え方は、常日頃から、
意識したいと思いました。
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