2012年6月3日日曜日

事業を成功させるポイント(『はじめの一歩を踏み出そう』を読んで)

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はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術
マイケル・E. ガーバー
世界文化社
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この本は、副題の「成功する人たちの起業術」が
表している通り、スモールビジネスの
起業・経営ノウハウを、2,500社以上の
コンサルティング経験をもつ著者がまとめた本です。

アメリカのビジネス誌が行った
成長企業のCEO500人へのアンケートで、
ビジネス書No.1に選ばれた本だそうです。


この本の中で、
事業を成功させるためのポイントとして
強調されていることのひとつは、
「どうやって他人に任せても、
うまくいくような仕組みをつくるのか?」
ということです。

他人に任せることができないかぎり、
あなたは自分が始めた事業の
奴隷になってしまうからです。
逆にいえば、これを解決するような
アイデアさえ思いつけば、
あなたにも自由と成功への道が開けることになる。

これは、「起業家」に限らず、
広告会社を含めて一般の企業で働く人にとっても
通じる部分があると思います。

組織の中で、後輩など、
自分がある程度仕事を任せれる人ができると、
自分がいかに成果を上げるかと同じくらいに
誰がやっても同じように成果が上げられる
仕組みをいかに作るかが重要になってきます。

マクドナルドの創業者レイ・クロックに関する
以下の洞察も非常に納得できます。

レイ・クロックは、
「何を売るか」ではなく、
「どのように売るか」に着目した。
つまり、売るための仕組みにこそ
価値があると考えたのである。
マクドナルド兄弟の店でレイ・クロックが
理解したことは、ハンバーガーが
彼らの商品ではないということだった。
マクドナルドという店自体が彼らの商品だった。


もうひとつ、事業の成功ポイントとして
印象に残ったのは、「組織図を作る」
ということです。

単に「図」をつくることや、
ちょっとかっこいい組織名を考えることが
重要なのではなくて、
役割と責任を明確にすることが大切なのです。

著者は「役職契約書」を作成することを勧めています。

役職契約書とは、
会社と従業員との間の契約書類であり、
組織の一員としての責任を
明らかにするものである。
つまり、役職契約書とは、
だれが担当者で、誰が責任を負うのかを
明記した文書だと考えればよい。

役割と責任がそこまで明文化されたものは、
企業の規模に関わらず、あまりないかもしれません。
しかし、それを明確にすることのメリットは
想像以上に大きいと思います。

「あれ、これって誰がやるんだっけ?」
「こういう仕事はどの部署にお願いしたらいいの?」
「この部署とあの部署って何が違うの?」
どっかでよく聞くような話ですが、
こういう責任の所在が不明確な組織では、
事業が上手くいくわけないですよね。


この本を読んで最後に思ったことは、
別に起業するとかしないではなく、
自分は「仕組み」や「組織」を作る人間になるのか、
それとも、誰かが作った「仕組み」や「組織」の中で
働く人間になるのか、ということ。

それは、著者の次の言葉にも重なります。

普通の人と功績を残す人の違いは、
人生を受け身の姿勢で過ごすことと、
自ら人生を切り開こうとすることの差だと
私は信じている。

受け身の人生は過ごしたくない、
そう思う、今日この頃です。

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