2011年8月21日日曜日

私たち人間は自由に目標を創り出すことができる (『問題解決の心理学』を読んで)

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問題解決の心理学―人間の時代への発想 (中公新書 (757))
安西 祐一郎
中央公論社
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25年以上前の本ですが、
なんとなく気になったので読んでみました。

この本の中で著者は、
人間を「問題解決者」と位置づけています。

私たち人間は、生きていく中で、
様々な「問題」に直面するわけですが、
私たちは、それらの「問題」を解決することができます。

では、私たちは、
いかに「問題を解決」しているのでしょうか?

この本では、
そのプロセスやメカニズム、
あるいはそれを可能にする人間の心理的機能について
実にわかりやすく述べられています。

著者によれば、
私たち人間は、以下6つの機能的特徴をもっています。

・生きて働く記憶
・原因―結果と手段―目標の関係による理解
・問題の適切な表現
・知識のダイナミクス
・自分を見る機能
・感情のコントロール機能

ひとつひとつの詳しい説明がないと
よくわからないと思いますが、
本書の大部分で述べられているのは、
私たち人間が、いかに問題を解決するための
素晴らしい心理的能力を持っているか、
ということです。

この「問題を解決する」というのは、
「目標を達成する」ことであり、
「目的を果たす」こととも言えます。
私たち人間の人生は、
まさにその繰り返しだと思います。

そんな「いかに目標を達成するか」ということに
焦点を当てた本ですが、
この本の最後の2ページには、
より重要なことが書かれています。

それは、私たち人間は、
「自由に目標を創り出すことができる」
ということです。

ここでいう「目標」には、
目的とか願望とかを含めてかまわない。
とにかく、
未来の行く先を自由に決められること、
これが問題解決者としての私たち人間を
ユニークな存在にしている最大の特質なのだ。
(中略)
つまり、
自由に目標を創り出せるという能力は、
それだけでもすばらしい私たちの心理的能力を、
さらに無限に拡大することができるのである。

この「自由に目標を創り出すことができる」
という能力を十分に活用することなく、
日々与えられた「問題」の解決にのみに時間を奪われ、
忙殺されているとしたら、
なんと悲しく、もったいないことでしょうか。

そんなことを考えさせられる一冊でした。


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