2011年11月27日日曜日

ブランドイメージよりブランド体験を (『ワンダーマンの「売る広告」』を読んで)

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ワンダーマンの「売る広告」
レスター・ワンダーマン
翔泳社
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ダイレクトマーケティングに
少なからず関わるものとして、
この本は読んでおいた方がいいのかな、
と思い読んでみました。

結果、読んでおいてよかった。

ダイレクトマーケティングの歴史は、
そのまま、レスター・ワンダーマンの歴史
と言っても過言ではないかもしれません。

この本を読むと、
今ある様々なダイレクトマーケティング手法は、
レスター・ワンダーマン氏によって
生み出されたものであることがよくわかります。
しかも自分が生まれるよりももっと前の時代に。

全ての話を、それが西暦何年の話なのか、
ちゃんと頭に入れた上で読み進むと、
ほんとに驚愕の連続です。
そんな昔に既にそんな考えに至っていたのかと。

まだまだ自分はダイレクトマーケティングを
語れるような立場の人間ではありませんが、
この数十年で、ダイレクトマーケティングは、
目覚ましい進化を遂げたと言えると思います。
ただ、その一方で、まだまだ数十年前の
レスター・ワンダーマンに追いつけていない
部分も多分に残っているのではないだろうか。
なんとなく、そんな風に感じます。


この本の終盤の、
「未来への道は」という章で、
レスター・ワンダーマン氏は、
次のように語っています。

製品やサービスについて消費者が
どんなに良いイメージを持ったとしても、
実際の行動に影響を与え、
繰り返し購入する気にさせなければ、
価値はないに等しい。
(中略)
経験によって意味が伝えられ、
意味によって行動が修正され、
修正された行動によって心の奥深くに
一定の態度が創造されると信じている。
広告やマーケティングが目指すのは、
消費者の継続的な行動の修正である。

個人的に、
何度も声に出して読みたくなる箇所です。

意味(メッセージ)が伝わり、
消費者の能動的な行動を引き起こす「経験」。
ここでいう「経験」とは、
本書の中にもあるように、
「ブランド体験」という言葉に
置き換えてもいいと思います。

そう考えると、
ちょっと前に読んだザッポスの本なんかは、
まさにこの「ブランド体験」について
書かれていたんだなぁと気づきます。

これまで企画書の中で、
「ブランドイメージの向上」という言葉を
何度使ってしまったかわかりません。
別にこの言葉を否定するつもりはありませんが、
安易に(深く考えずに)使いすぎていたかもしれません。
これからは、それよりももっと、
「ブランド体験の創出」ということを、
考えていきたいと思います。



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