2012年5月20日日曜日

フレームワークが必要な理由(『実践マーケティング戦略』を読んで)

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図解 実戦マーケティング戦略
佐藤 義典
日本能率協会マネジメントセンター
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この本は、別に新しい本ではないけど、
読んで非常に「ためになる」本だと思います。

この本では、
マーケティング戦略を考える上で使える
下記5つのオリジナルツールが紹介されています。

①戦略BASiCS
②マインドフロー
③ニーズの広さ深さ
④売上5原則
⑤プロダクトフロー

この中の戦略BASiCSというフレームワークについて少し紹介します。

B:Battelefield 競争の場・戦場
A:Asset マーケティング資産
S:Strength 強み・差別化ポイント
iは、語呂合わせ
C:Customer 顧客ターゲット
S:Selling Message 売り文句

Battlefieldというのは、
つまり、どのカテゴリーで戦っていくのか、
ということ。
ポジショニングの概念に近いと思います。

Asset(資産)とStrenth(強み)の違いは、
少しわかりにくいですが、
本文を引用すると以下の通り。

資産は、会社にあるもの、
強みは、強みと認識された結果
お客様の頭の中にあるもの、ともいえます。

例えば、スターバックスなら、
「従業員教育」が資産で、
「親しみやすい従業員対応」が強みになります。

CustomerとSelling Messageは
説明するまでもないと思います。

マーケティング戦略を考える上で、
これら5つの整合性が
きちんと取れているかどうかを確認することが大切、
という話です。

これは、今自分が担当しているクライアントで、
一度試してみる価値があると思います。
また、競合企業と比較してみることも
戦略を考える上で非常に有効だと感じました。

このようなフレームワークの類は、
他にもいろいろありますが、
フレームワークの良いところは、
「チェックリスト」として機能するところにあると思います。

この本にも、下記のように書かれています。

様々なツールを使う理由の1つは、
「脳に考えることを強制させる」ことでもあるのです。

その会社の強みやターゲットなどをあまり深く考えずに、
「Selling Message」を考えているようなことって
意外と多い気がします。
そんな時に、こういったフレームワークを
活用することは、「強制的に考えさせる」という意味で、
非常に有効だと思います。


その他、この本を読んで、
印象に残った箇所をいくつか紹介します。

■マス戦略かニッチ戦略しかない

マーケティング戦略には、
マクドナルドのような、
数を求め、大規模化による低コスト戦略(=マス戦略)か、
モスバーガーのような、
特定の市場を深く掘る、高付加価値独自化戦略(=ニッチ戦略)
しかない、という話。
しかも、マス戦略を取れる企業はかなり限られるので、
殆どは、ニッチ戦略を取るしかないとのこと。

■売上を上げる方法は5つしかない

売上げを上げるには、
①新規顧客の増加
②流出顧客の減少
③購買頻度の増加
④買上点数の増大
⑤1点当たり商品単価の向上
の5つの方法しかない、という話。
ここでは、結論の5つしか書きませんが、
何故そうなるのかをロジカルに説明できると、
なんかちょっと頭が良さそうな感じがすると思います。(笑)

■意外と軽視される流出顧客対策

これは、自分も広告の仕事をしていて、
前からかなり感じていたことでもあるけど、
既存客の流出よりも新規顧客の獲得に
かなりの力を入れる企業が多いが、
既存顧客の流出は、想像以上に、
売上へのインパクトが大きいという話。

などなど。

マーケティングに携わっている人は、
一度読んでみてはいかがでしょうか。


久しぶりにマーケティングの本を読んだら、
自分はもっとマーケティングの勉強がしたいんだ、
ってことに改めて気がつきました。。

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