2011年6月12日日曜日

≪読書メモ≫ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略 ※この本かなり必読です。

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ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略
高見 俊介
ファーストプレス
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この本、限りなく必読です。
常に近くにおいておき、
何度も読み返したいと思える本です。

単に「ソーシャルメディア本」というわけではなく、
どちらかというと、現代のマーケティングの
本質についてわかりやすく語られた本という印象です。


この本では、主として、
「既存顧客を対象としたソーシャルメディアの活用戦略」
について書かれています。

理由は2つ。1つは企業収益において既存顧客を維持することの重要性が高まっていること、もう1つは既存顧客による口コミが、新規顧客の獲得に与える影響の度合いが増してきているからだ。

理由についての詳しい解説は、
是非本書を参照して下さい。
かなり説得力がありますし、
ハッとさせられます。

既存顧客を重視するという戦略は、
前にブログにも書いた
ザッポスの戦略(企業理念)にも通じるものがあります。

この本では、タイトルからもわかるとおり、
ロイヤルカスタマーの重要性について、
詳しく書かれています。
「なぜロイヤルカスタマーが重要なのか」、
「ロイヤルカスタマーがもたらす3つの経済的価値」など、
非常に興味深い解説がありますが、
ここでは省略し、
顧客のロイヤルティをどう測るのか
の部分を少し紹介したいと思います。

この本で紹介されているロイヤルティ指標は、
「NPS(Net Promoter Score)」という、
フレッド・ライクヘルドが
顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」
という本の中で提唱した指標です。

このNPSは、
アメリカでは多くのグローバルカンパニーに
導入されている指標で、
長年の研究では、
売上成長率や顧客収益性などの
ファイナンシャル指標とも相関関係があることが
実証されているそうです。

NPSとは、基本的に、
「ブランドXを友人や同僚にすすめる可能性は、どのくらいありますか」
という質問を通じて、
顧客のロイヤルティを測るものです。

回答者は、この質問に対して、
0から10までの11段階のスケールで選択します。

10に近いほど、
勧める可能性が非常に高く、
0に近いほど、
勧める可能性が非常に低い、
という意味です。

その結果に基づいて、
10~9:推奨者(Promoter)
8~7:中立者(Passive)
6~0:批判者(Detractor)
という3つに分類されます。

推奨者が占める%比率から、
批判者が占める%比率を差し引いた%数値が
NPS指標となります。
(批判者の比率の方が多ければスコアは当然マイナスになります)

さらに、本書では、
縦軸に「顧客収益性」、
横軸に「NPS」を置いた、
顧客グリッド」という
セグメンテーションも紹介されています。

これにより顧客は、
「抑留者」「エンジェル候補者」「エンジェル」
「反逆者」「不可知論者」「宣教師」
の6つに分類されます。

それぞれのセグメントにおける
取るべき戦略に関しては、
ここでは省略しますが、
大変勉強になります。

この本には、他にも、
勉強になることがかなり多く詰め込まれています。

・5ステップの「ロイヤルカスタマー育成シナリオ」
・ボリューム×センチメント×インフルエンス=口コミのインパクト
・リテンションとアクイジション(新規顧客の獲得)の関係
・カンバセーションマーケティングの3つのアプローチ
・ソートリーダーシップとソーシャルメディア活用
・口コミの価値の計算方法
・ネットセンチメントという指標
・ファイナンシャル指標⇔ロイヤルティ指標⇔インタラクション指標
などは、かなり必見です。


いろんなことが書かれていますが、
この本の中で最も重要なことは、
ソーシャルメディア活用の目的はロイヤルティの向上
であり、「その効果指標はNPS」ということだと思います。


「顧客ロイヤルティの向上」というのは、
今後、自分の中でかなり重要なテーマに
したいと思いました。


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